松枯れを防ぐ方法
松枯れを防ぐには、大きく次の4つがあります。
マツノザイセンチュウの樹体内での移動・増殖を阻止する。
マツノマダラカミキリ成虫の後食を阻止する。
マツノマダラカミキリの幼虫を駆除する。
マツノザイセンチュウに強い松を育てる。
これらは、1つの方法だけが行われるのではありません。
通常は被害を受けた松が出ると、すぐにその周辺の松に大きな被害が拡大してしまうことから、松の被害木をいち早く見つけ出すことが重要になります。
被害木を見つけたら、すみやかに適切な防除策をとらなければなりません。
松を診断する
診断は主に「マツノザイセンチュウ」に侵されているかどうかに関して行われます。
(マツ材線虫病か正確に判断するには、専門家に検査を依頼をしてください。)
針葉による診断
線虫に侵された松の針葉の枯れ方は、最初に旧葉(2~3年葉)が色あせて、その後、新葉(当年葉)が色あせて一部が下垂れし、続いて短期間のうちに鮮やかな赤褐色に変わるのが一般的な特徴です。
樹脂の出方による診断
樹脂の出具合でマツが健康かどうか判断します。目打ちやポンチなどを使い、粗皮や甘皮を除去後、通常では1~2時間、冬季は一晩程度経ってからの樹脂量で判断します。
松枯れを防ぐ技術
松枯れを防ぐ方法としては、「マツノマダラカミキリ」の成虫による健全木の後食を阻止する予防的方法と、松の木に薬を注入しておくことで、侵入した「マツノザイセンチュウ」を麻痺させ松の中で移動・増殖するのを防いでしまう方法が一般的です。
「マツノザイセンチュウ」は自分で長距離を移動することができず、「マツノマダラカミキリ」に最高25万頭も保持されて他の松へ移動します。
そのために、「マツノマダラカミキリ」を防除する必要があるわけです。
「マツノザイセンチュウ」は自分で長距離を移動することができず、「マツノマダラカミキリ」に最高25万頭も保持されて他の松へ移動します。
そのために、「マツノマダラカミキリ」を防除する必要があるわけです。
マツノマダラカミキリから守る方法
予防散布
枯れた松から飛び立ったカミキリが、春から夏(地区により初夏から初秋)にかけて健全な松に飛来し、そこで若い枝の皮をかじる行動(後食)を防止するために薬剤を散布する方法です。散布方法は、空中散布と地上散布の二つの方法が実施されていますが、薬剤の飛散による環境汚染について十分に配慮して行う必要があります。
伐倒駆除
カミキリの幼虫が寄生している枯死木を伐倒し、薬剤をかけたり、殺虫剤で燻蒸して材内に生息する幼虫を化学的に殺虫する方法や、焼却・チップ化したりすることにより物理的に殺虫する方法、天敵生物を用いて殺虫する生物的方法が実施されています。