奈良 興福寺の松を守る
10年前から地上散布を年2回行い、松枯れ対策を進めてきました。
奈良時代、藤原氏によって建設された興福寺は、明治13年より奈良県立都市公園「奈良公園」の一画に位置し、
平成10年12月には「古都奈良の文化財」として東大寺や春日大社などと共に世界遺産にも登録されました。
この興福寺の境内には樹齢100年前後の松があり、風格のある古都の景観を作っています。
しかし、この5年間に374本あった松が、現在では278本になってしまい、昨年だけでも20本も枯れてしまったのです。
もちろん興福寺でも決して手をこまねいていたわけではありません。10年前から地上散布を年2回行い、松枯れ対策を進めてきました。
しかし現在では環境等の問題もあって薬剤散布は難しくなり、
さらに、枯れた松を伐採・処理するためには1本20~30万円もの費用がかかってしまうため、松枯れ対策は困難に。担当者も「松を守るのは苦労が多い」と話されています。
そこで、この松を守るためのGG「松を守る支援活動」研修会が、2002年12月22日に行われました。
研修会は興福寺講堂で、興福寺の関係者、県、市、造園関係の人たち約50人を集めて開催。
ビデオやスライドを使って松枯れの現状やなぜ松が枯れるのかというメカニズム等を学習した後、実際に境内の11本の松に樹木医の技術指導により、
樹幹注入剤「グリンガード」を注入する体験施工が行われました。
阿南市・北の脇海水浴場の松を守る
平成11年以降1,400本もの苗木を補殖する努力
徳島県阿南市の「北の脇海水浴場」は室戸阿南海岸国定公園に指定され、環境庁(現環境省)が「日本一美しい海」と折り紙をつけた全長2キロに及ぶ広大な松原です。
この松原では昭和37年~38年頃から松枯れ被害が発生し、
その対策として阿南市では地上散布、特別防除など市を上げて30年以上に亘り、松原を守る対策を実施し、松枯れ被害の沈静化に取り組んできましたが、
被害は沈静化せず多くの貴重な松が枯れてしまいました。
また、松枯れ被害の空地には松の苗木をボランティアで植栽し、平成11年以降1,400本もの苗木を補植する努力をされております。
このように、松枯れ対策に長く苦しい戦いをされている阿南市の活動を支援しようと2003年1月21日、
22日に亘りファイザー・農薬普及会による、GG「松を守る運動」支援プログラムによる研修会が行われました。
研修会は阿南市の南林会館で阿南農林事務所、阿南市、海南町、那賀川町、森林組合、漁協、地元南林南協議会の方々など約30名を集めて開催され、
ビデオ、スライドをまじえて松枯れの現状と松の枯れるメカニズム等を学習しました。
その後北の脇海水浴場の樹齢30年から200年を越える30本の松で樹幹注入剤「グリンガード」体験施工が行われました。