鹿児島県 奄美大島のリュウキュウマツを守る(2)
現在奄美群島は、奄美群島国定公園(陸域7861ha、海域17106ha)に指定されています。現行の保護地区は海域中心のもので、アマミクロウサギの生息地など内陸部では保護地域がほとんど指定されていません。
しかしながら、「奄美・琉球諸島」は、絶滅危惧種の生息地などが数多く残されており、現在世界自然遺産への登録に向けて手続きが始まっています。奄美大島では、島の生態系に大きな影響を与える外来種のマングース根絶への取組みなどが進んでいます。
松枯れも同様に他の地区から持ち込まれたと考えられており、近年の被害量は甚大です。
奄美大島の松は、主にリュウキュウマツで、地元ではリュウキュウアカマツと呼ばれ、沖縄や奄美大島の固有種です。鹿児島県では、県の松の60~70%が奄美大島に群生していますし、島の人々は古くから松とのかかわりが深く、いまでも各地で「御神木」として大切に扱われています。
名瀬市では「千年松」と言われる巨木が存在し、奄美市の保存樹第1号でもあります。古くから朝仁町の名瀬側入口にある松で、樹齢は400年以上と伝えられています。
鹿児島県では、自然環境や住民の安全を考え、さまざまな取り組みを実施して一度は被害を抑える事に成功しましたが、現在は再発し、完全根絶には困難な状況にあります。
2008年12月16日、鹿児島県森林環境税関係事業の一環として、瀬戸内町阿木名小中学校で「松枯れ予防特別授業」が開かれ、小学校5,6年生21人を対象に、松枯れの仕組みと予防の大切さについて、室内学習と野外学習を実施しました。
同小中学校には、「百年松」と呼ばれるリュウキュウマツの巨木のほか10数本のリュウキュウマツが校庭に立ち並び、大事な学習環境を形成しています。